2018年11月8日木曜日

第46話 変わりゆく街並み


11月に入り、日が暮れるのが早くなりました。

季節は徐々に冬へと近づいてきていますね。


七日町を歩いていると、

昔ながらの建物のなかにひとつ、おしゃれなお店がありました。

やわらかい印象の外観
















今回、私が訪れたのは

七日町シネマ通りを少し進んだところにある

「汽水域」という雑貨屋さんです。


窓の上に文字。右の建物から「ア」「ル」「ケ」見えますか?
















ここのお店、もともと長屋だった建物らしいのです。

この長屋は戦前からあったものらしく、本来5つ並んでいたみたいです。


その建物一つずつに

「アルケイド」=「アーケイド」と書かれていました。


しかし、残念ながら戦時中の道路拡幅工事で

最後の2つの「イ」と「ド」が取り壊しに…。


と、そんな歴史があるところだそうです!



さて、ではそろそろ中に入ってみましょう。

表札にお店のロゴ
















入口には黒板と表札がありました。

どうやら彫金雑貨のお店のようです。

シンプルな空間がまた良い


中に入ると、「いらっしゃいませ」と

やさしそうな女性の方が声をかけてくれました。


店内も落ち着いた雰囲気で

居心地の良い空間が広がっています。



彫金のアクセサリーや食器、ウッド製品などのさまざまな小物。

どれも手作りで、繊細で美しいものばかり。

眺めているだけで満足します。

細かい模様が施された彫金のお皿
















そして、先ほどの女性の方にお話をお伺いすると

このお店は昨年の9月にオープンしたばかりのようでした。


また、旦那さんと二人で経営しているそうです。

二人とも京都で彫金を学んで、旦那さんの地元山形市に戻ってきたとのこと。


旦那さんが主に制作をしており、

奥さんもアクセサリーを手掛けているみたいでした。



二階の工房も見学できるようなので

お邪魔させていただきました。

沢山の工具と本に囲まれたアトリエ
















中に入ると、例のご主人が出迎えてくれました。

お忙しい中、ありがとうございます、、!!

サンプルの作品。とっても細かい

















工房のなかを見学していると、

サンプルで作られた小物がたくさん。

細かく繊細な加工を施されたものが多く

すごいしか出てきません!



ご主人の出身は山形市。

おじいさんが彫金師であり、その影響で彫金の道へ。


七日町には、学生時代よく学校帰りに

寄っていたほど住み慣れたところだったみたいです。


しかし、15年ぶりに戻ってきたら

駅前や七日町などの街並みが

ほとんど変わっていて驚いた!とのこと。


たしかに、いろんな思い出があった地元が

廃れてしまったのを見るのは、言葉で表せないような

なんとも切ないですね、、


ご主人のお話を聞き

なんだか私も地元が恋しい気持ちになりました。


山形には珍しい彫金雑貨屋 汽水域さん。

場所にも作品にも、いろんな思いがつまっています。

彫金造り体験のワークショップも行っているので

ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。


(文・写真 梅津咲希)

汽水域
https://www.kisui-iki.com

住所 〒990-0042 山形県七日町2丁目6-13
お問い合わせ 023-609-9406
営業時間 11:00-19:00
定休日 水曜日・木曜日


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